PCケースといっても、コスパの良いケース・拡張性の高いケースや静音性に優れたケース・冷却性能の高いケースなど用途・目的によってさまざまです。
最近人気の高い光るPCケースやコンパクトなケース、持ち運べるケースまで幅広くご紹介していきます!
目次
PCケースの大きさ・規格について
PCケースは大きく分けて次の規格に沿って作られています。現在 最も普及しているのは「ATX」フォームファクタでしょう。一般的に販売されているマザーボードはATXか、ATXよりも少し小さい「Micro-ATX」というフォームファクタになります。
ATX対応のPCケースを買っておけば、Micro-ATXのマザーボードを取り付けられることが多く、「大は小を兼ねる」といえます。
また、コンパクトなPCを作りたい方には「Mini-ITX」というMicro-ATXより更に小さいフォームファクタをおすすめしますが取り付けられるCPUクーラーが限られてしまうのと、大型のファンが取り付けられないことから大きいケースと比べると空気の流れ(エアフロー)が悪くなり、排熱が難しくなる傾向にあります。
フルタワーPCケースとは?
フルタワーPCケースの最大の利点は、「拡張性」にあるといえます。近年、ゲーム実況が流行っています。ゲームを快適にプレイするにはグラフィックボード(以下 グラボ)が不可欠!といっても過言ではありません。
人気のバトロワ系ゲーム PUBGやFORTNITE(フォートナイト)などはグラボ無しでプレイするのはかなり難しいです。(要求スペックが比較的高いです。)
そこで、高性能なグラボが必要になってくきます。高性能なモノほど発熱量が増え消費電力も増加します。
また、グラボが大型化する傾向にあり、小さなケースだと入らなかったり…
しかし、フルタワーケースの場合は大きなファンを取り付けられたり、エアフローが良いことから排熱がしやすかったりと、発熱対策がしやすいです。
大型のグラボでもしっかり入りますし、ハードディスクや光学ドライブを増設出来るモノも多く機能・拡張性を重視される方・設置場所に余裕のある方はフルタワーケースをおすすめします!
フルタワーPCケースの特徴
フルタワーPCケースの特徴を2つ解説します。
- 大型クーラーや水冷クーラーが取り付け可能!
- ハードディスクや光学ドライブの増設・拡張性が高い!
大型の空冷クーラーや水冷クーラーが取り付け可能!
高性能なCPUを取り付ける際に問題となるのが「発熱」です。
しかし、大型のCPUクーラーを取り付けることでより冷却性能を上げることが出来るのです!
近年 水冷式のCPUクーラーが増えてきました。水冷式の場合はラジエータが大型(280mm~360mm)のモノを使うことで、空冷クーラーよりも冷却性能が高くなります。
強力に冷やしたい方はフルタワーケースに水冷クーラーの取り付けが効果的といえるでしょう。
ハードディスクや光学ドライブの増設・拡張性が高い!
沢山のゲーム・ソフトをインストールしたりする場合、あるいはゲーム実況や動画制作をする場合、当然ですが必要なデータ容量も増えていきます。(ゲームによっては1つのゲームで数十ギガにもなったり…)
ハードディスクを何枚 取り付けられるのか、光学ドライブが取り付けられるか、このあたりがフルタワーケースのような拡張性の高いケースを選ぶ理由の1つといえるのではないでしょうか。
グラフィックボードを複数枚 使いたい方、キャプチャーボードを何枚か刺して使いたい方はPCIeスロットの枚数を必ず確認しましょう!
フルタワーPCケースの選び方
フルタワーPCケースの選び方を以下の5つのポイントから解説します。
- 冷却性能で選ぶ
- 静音性で選ぶ
- サイドパネルの素材
- 拡張機能の余白があるかどうか
- USBポートの数もチェック
冷却性能で選ぶ
ファンの大きさや取り付けられる枚数によって、冷却性能に差が出ます。一般的なファンのサイズは12cmのファンが使用されていますが、更に大きな14cmファンの方が冷却性能が高いです。
同じ回転数であれば、当然 大きなファンを使用したほうが冷却性能が上がります。水冷クーラーが取り付けられるか?というのも、冷却性能を左右する大事なポイントです!
PC内にホコリがたまると冷却性能が落ちてしまいますので、ホコリフィルターが付いたケースを選ぶと安心ですね!
静音性で選ぶ
後述する「サイドパネルの素材」でも解説しますが、ケースに吸音材を使用しているモノ冷却ファンが回転することによって振動してしまうのを抑える防振材が使われているケースもあります。
動画制作をしたい!という方は、PCの性能・冷却性能も勿論ですが、静音性にも注目していただきたいです。マイクで録音する時にファンの音(雑音・ノイズ)が入ってしまうと嫌ですよね。
編集中もファンの音が気になって、それがストレスになっても大変ですので。
サイドパネルの素材
上で挙げた通り、ケースに吸音材が使用されているモノ、振動を抑えるケースもあります。魅せるPCと呼ばれることが多い「光るPC」の場合、パソコンの中が見えた方がカッコイイことからサイドパネルがアクリルパネルのケースや、強化ガラスのモノまであります。
こちらは透明なパネルなので、見栄えを気にする方はキズが付かないよう注意が必要ですね!
また、サイドパネルの取り外しが簡単なケースもあります。パーツの組み換えやメンテナンスがしやすくなるので、取り外しというのも重要なポイントです。
拡張機能の余白があるかどうか
ファンは何枚付けられるのか、水冷クーラーのラジエータを付けられるか、大型のグラフィックボードは入るか、後述する「USBポートの数」や拡張カードの数などPCの使い勝手に影響するので、必ず確認しましょう!
ケース上部のファンを付ける部分の厚さが足らず、水冷クーラーのラジエータが付けられなかった!
というようなケースもありますので、選ぶ際は注意が必要です。(筆者が店員時代にもお客さんからよく聞かれました。)
また、配線がしやすいように設計されているケースや、ケーブルをまとめられるよう設計されているケースもありますので、上で挙げた「魅せるPC」の場合は裏配線のしやすさも重要なポイントです!
USBポートの数もチェック
最近ではUSB 3.0(3.1・3.2)対応のデバイスが増えてきました。
中にはUSB Type-C(タイプC)のポートが付いたケースもありますので、使っている周辺機器にあわせて選ぶと良いでしょう。
筆者の使用するミドルタワーPCケース「NZXT H710i」は、フロントにUSB2.0が2つ、USB3.1 Gen1(Type-C)が1つ刺せるモデルですが、マザーボードによってはフロント用のType-Cコネクタが無い場合もあるので、購入前に確認しましょう。
フルタワーPCケースのおすすめ5選
フルタワーPCケースのおすすめ5選を紹介します。
Fractal Design Define 7 XL
最初に紹介するPCケースは、「Fractal Design Define 7 XL」です。
Fractal DesignのDefineシリーズは、高級感のある外見と冷却性能の高さ、静音性の高さ、メンテナンスのしやすさからとても人気のあるケースです。
サイドパネルの内側に防音素材を用いることで静音性を高めており、ケース上部は静音重視のパネルとダストフィルター付きのメッシュパネルの2種類が用意されています。
目的・用途にあわせて、ケースをカスタマイズ出来るという点がこのケースの素晴らしいところです。
また、このケースはE-ATXのマザーボードにも対応しています。
サイドパネルも取り外しが簡単に出来る仕組みで、メンテナンスがしやすいです。
ハードディスクが沢山つけられるのもポイントで、サーバー用PCのケースとしても使いやすいモデルとなっています。
Fractal Design Define 7 XLの仕様・製品情報
対応するフォームファクタ | E-ATX・ATX・Micro-ATX・Mini-ITX・EE-ATX・SSI-CEB・SSI-EEB |
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CPUクーラーの高さ | 全高185mmまで |
拡張スロット | 9+3 |
5インチベイ | 2つ |
3.5インチベイ | 6+2 |
Fractal Design Define 7 XLのおすすめポイント3つ
- 拡張性の高さ
- メンテナンスのしやすさ
- 静音性の高さ
Fractal Design Define 7 XLのレビューと評価・評判
拡張性の高さ
E-ATX対応・5インチベイが2つ・静音パネルと、かゆいところに手が届くフルタワーケースです!
ケース上部を静音重視・冷却重視でカスタマイズ出来る点が優秀で、夏場はメッシュにして冬場は静音重視…なんてカスタムも出来ちゃいます!
重量が10kg以上あり大変 重たいケースですが、設置場所に余裕があれば間違いなくおすすめです!
Thermaltake VIEW 71 TG RGB
次に紹介するPCケースは、「Thermaltake VIEW 71 TG RGB」です。
4面強化ガラスパネルという、魅せるPCと非常に相性の良いフルタワーケースです。
Thermaltakeはクーラーやケースを扱うメーカーで、コストパフォーマンスが良いことでも人気です。
簡易水冷クーラーや本格水冷を想定した設計で、4面強化ガラスデザインのケースはPCの中を一層 ドレスアップしてくれます。
Thermaltake VIEW 71 TG RGBの仕様・製品情報
対応するフォームファクタ | E-ATX・ATX・Micro-ATX・Mini-ITX |
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CPUクーラーの高さ | 全高190mmまで |
拡張スロット | 8+2(垂直) |
5インチベイ | なし |
3.5インチベイ | 4+6 |
Thermaltake VIEW 71 TG RGBのおすすめポイント3つ
- 見栄えの良さ
- 本格水冷との相性抜群
- コストパフォーマンスの良さ
Thermaltake VIEW 71 TG RGBのレビューと評価・評判
リーズナブルな価格設定
Riing 14 LEDファンが3つ付いて約2万円というコストパフォーマンスの良さ!
光るファンは1枚 2,000円~3,000円くらいするため、光るファンが最初から3枚付いて現在の価格はかなりお得です。
近年 本格水冷にチャレンジされる方が増えていますので、本格水冷の入門用、ドレスアップPC作りにいかがでしょうか!
COUGAR PANZER MAX
次に紹介するPCケースは、「COUGAR PANZER MAX」です。
COUGAR PANZER MAXはサイドパネルがアクリルで、魅せるPCとしても使えて水冷にも向いているフルタワーケースです。
価格は約2万円(2020年7月21日現在)とコストパフォーマンスを意識しつつ、「拡張性のあるゲーミングPCのケース」という位置付けでしょう。
フロントにヘッドホンが掛けられるフックが付いていて、ゲーマーさんウケしそうな作りです。
COUGAR PANZER MAXの仕様・製品情報
対応するフォームファクタ | E-ATX・ATX・Micro-ATX・Mini-ITX |
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CPUクーラーの高さ | 全高170mmまで |
拡張スロット | 8つ |
5インチベイ | 2つ |
3.5インチベイ | 2つ |
COUGAR PANZER MAXのおすすめポイント3つ
- コストパフォーマンスの良さ
- エアインテークが電源まわりをしっかり冷却!
- ゲーマーさんが使いやすい設計
COUGAR PANZER MAXのレビューと評価・評判
ゲーマーさんを意識した作り
ケース上部にキーボードが置けるスペースがあったり、フロントにヘッドホンが掛けられるフックが付いてたりと他にありそうで無いユニークな作りになっています。
フロントから吸気した風を電源・ストレージまわりに当てて冷却出来るよう、冷却性能もバッチリなケースです。
そして約2万円というコストパフォーマンスの良さもあってミリタリースタイルのデザインが好きな方には非常におすすめです!
Lian Li O11Dynamic XL ROG Certified
次に紹介するPCケースは、「Lian Li O11Dynamic XL ROG Certified」です。
Lian Li O11Dynamic XL ROG CertifiedはASUSのゲーミングブランド「ROG」の認証を受けたPCケースです。
元々 Lian Liから「O11 Dynamic」というケースが発売されていましたが、各種パーツをより多く搭載出来るようになり、別売の「エクステンションバー」を利用するとEEBフォームファクタのマザーボードも搭載可能になります。
非常に拡張性が高く、本格水冷を組む方々からも人気のケースです。
Lian Li O11Dynamic XL ROG Certifiedの仕様・製品情報
対応するフォームファクタ | EEB(別売のエクステンションバーが必要)・ATX・Micro-ATX・Mini-ITX |
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CPUクーラーの高さ | 全高167mmまで |
拡張スロット | 8 |
5インチベイ | なし |
3.5インチベイ | 4つ |
Lian Li O11Dynamic XL ROG Certifiedのおすすめポイント3つ
- 拡張性が高い
- ホットスワップ対応の着脱式HDDベイ
- オプションパーツが豊富
Lian Li O11Dynamic XL ROG Certifiedのレビューと評価・評判
拡張性の高さ
魅せるPCとしても、本格水冷用のケースとしても有用で、別売の専用リザーバー・ポンプを利用するとケースの見栄えを損なわず、かつ効率良くスペースが活用できるため非常におすすめです。
また、グラフィックボードを垂直配置化できるパーツも発売されているので用途によって幅広いカスタマイズが可能です。
Corsair Graphite 780T
次に紹介するPCケースは、「Corsair Graphite 780T」です。
Corsair Graphite 780TはCorsairのフルタワーPCケースで、スチール製の筐体にツールフリーのラッチ式サイドパネルを採用したモデルです。
サイドはアクリルパネルになっています。
拡張スロットが9つあるので、大きなグラフィックボードはもちろんグラフィックボードを複数枚 刺すような使い方も可能です。
ファンの回転数を制御できるコントローラも搭載されています。
3.5インチベイが6つ付いているのもポイントです!
Corsair Graphite 780Tの仕様・製品情報
対応するフォームファクタ | E-ATX・XL-ATX・ATX・Micro-ATX・Mini-ITX |
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CPUクーラーの高さ | 全高200mmまで |
拡張スロット | 9つ |
5インチベイ | 2つ |
3.5インチベイ | 6つ |
Corsair Graphite 780Tのおすすめポイント3つ
- 拡張性が高い
- 5インチベイを2つ搭載
- USB・スイッチがフロントに集約されている
Corsair Graphite 780Tのレビューと評価・評判
高い拡張性
近年 5インチベイを搭載したケースが少なくなってきています。
しかし、780Tは5インチベイを2つ・3.5インチベイを6つ搭載しておりサーバー用にも向いたケースといえます。
また、拡張スロット数も9つあるので、サウンドカードの増設やキャプチャーボードを使用したりとカスタマイズがしやすく、流石 Corsairのフルタワーケースです!
おすすめのフルタワーPCケースのまとめ
フルタワーPCケース5選、いかがでしたか?
コストパフォーマンスに優れたモノからハイエンドなモノまで様々ですが、フルタワーにもなると設置場所を選びますので、購入前に寸法・置き場所を確認すると良いでしょう。
意外と忘れがちなのが「CPUクーラーの高さ」です。大型の空冷クーラーを取り付ける場合には注意が必要です。
フルタワーケースの最大の利点ともいえる「拡張性の高さ」が光るケースばかりで、メーカーごとに工夫がなされています。
自分の用途・使い方にあったPCケースを、上のオススメも参考に見つけてもらえたら嬉しいです!
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